入所して幸せだったおばあちゃん

我が家には、93歳でこの世の生涯を閉じた、愛すべきおばあちゃんがいました。
40歳で未亡人になり、女手一つで3人の子供を育て上げました。
おじいちゃんが残した、莫大な借金を返しながら、自分の物は何一つ買わずの、つつましい生活でした。
そんなおばあちゃんが、老齢ゆえに弱って来た時、家族会議でおばあちゃんを、有料の老人ホームに入ってもらう事にしました。
null普段からみんなの迷惑にはなりたくないと、口を酸っぱくして言っていたおばあちゃんなので、この話をした時に、誰よりも即答で返事をしていました。
子供や孫達が選んだ有料老人ホームは、その地では有名な素晴らしいホームで、そこに入ってからのおばあちゃんは、美味しい食事でなんと3キロも体重が増えました。
この年で3キロ増えると言うのは、相当大変な事なので、おばあちゃんがいかにこのホームで幸せだったかが分かります。
24時間体勢でお世話をしてくれて、感じの良い優しい介護士さんが付いてくれていました。
一人一人の入居者の名前を、下の名前で呼んであげていて、自尊心を保てるように、例え多少ボケていても敬意を払って接している姿が、親族からしてみればすごく有難いと思ったことの一つでした。
とにかくおばあちゃんは、この有料老人ホームでの生活が楽しかったようで、面会に行くと顔つきまでもが、穏やかで優しい顔に変わっていました。
今まで人一倍苦労してきたおばあちゃんです。
人生の最期くらい、贅沢して最高の場所で過ごして欲しかったです。
家族のその願いがかなって、おばあちゃんはこのホームで息を引き取りました。